レザーは種類あるの?よく利用される革を徹底解説!
レザー製品は、ユーザーが使い込むことで経年変化し触り心地や色合いに影響していきます。
本革は、人工的なものではなく動物の皮が使用されているものです。
動物の皮ごとに、質感や手触り感、見た目など違いがあります。
レザー製品として完成までには、職人の手作業により加工が施されますから時間も労力もたくさん必要とされるのです。
今回はレザーは種類があるのかや、皮を革にする鞣(なめし)作業などについてご紹介していきます。
レザー製品は「革」の状態のことを言いますが、「皮」という同じ意味を持つ漢字もありますよね。
基本的に加工していないものを「皮」と表し、製品化するために加工が施されたものが「革」になります。
レザー製品は、まず加工する前の動物の皮を使って、それから革にする鞣(なめし)工程が必要になってきます。
なめしは「コンビネーションなめし・タンニンなめし・クロムなめし」などの種類があり、本革は乾燥したら硬くなってしまうため加工が必要になるのです。
コンビネーションなめしはクロムなめし、タンニンなめしの両方の加工工程が行われます。
クロムなめしをした後に、タンニンを浸透させてなめします。
両方のなめしの特徴を、バランス良く採用することでクロムなめしのような強さと柔らかさが実現でき、タンニンなめしのようにエイジングを楽しむことができるのです。
ミモザ、オークなどの植物から採取した植物性タンニンが使用されます。
植物性タンニンに動物の皮を、数ヶ月ほど漬け込む手法がタンニンなめしです。
漬け込む時間は長いですが、革にはそんなに負担になりません。
ゆっくりと浸透させることで、レザー製品を使い込むごとにしなやかさと柔らかさが出てきます。
短時間で仕上がる加工工程に、クロムなめし手法があります。
クロム化合物を、ドラムと呼ぶ専用マシンに入れて浸透させます。
経年変化は少ないですが、そんなにマメな手入れが必要にならないレザー製品です。
皮を革にする鞣(なめし)加工工程では、レザー製品の耐久性をアップさせるために薬剤・オイルなどを使って素材の繊維をほぐす作業が行われます。
そして、耐熱・防腐処理が施されることで商品の寿命が長くなるわけです。
完成した本革製品は、レザーに含まれるタンニンが紫外線に当たり空気中の酸素と化合して酸化します。
そのような化学反応が起きることで、レザーのエイジングが起きるのですね。
私達は動物たちと共存していますが、食料やファッションアイテムなどに用いるために命を頂いています。
それは人間のエゴなのかもしれませんが、弱肉強食の世界ですから仕方のない面もあるでしょう。
本革として使われる動物の中には年々、数が少なくなっている動物もいます。
犠牲になった動物たちのためにも、感謝の気持ちは忘れずにいたいですよね。
そう思えることで、レザー製品をより大切に使い続けることにも繋がるはずです。
動物の皮から、本革製品へと完成するまでには職人の手作業や薬剤・油を使用したり鞣(なめし)加工などが必要になるので大変な労力がかかっています。
消費者の視点から見るとレザー製品を買う時に、どのように作られてきたのかバックグラウンドまで気にする人は少ないでしょう。
こうやって完成品までの背景を知ると、簡単に作られているわけではないとわかりますよね。
ですので、大切に使い続けていこうと気持ちを改めることにも繋がるのではないでしょうか。
大事に所持していけば、何年、何十年と使い続けることも可能です。
そして、長年愛用していくことでレザーエイジングを楽しむこともできます。
そのためには、適度なメンテナンスが必要になってくるのでレザーの種類に合った手入れをしていきましょう。
レザーの種類は以下のようなものがあります。
イタリアンレザーや、革製品のなかでも最も多く使用されているのが「牛革」です。
上質な牛の皮は、希少価値が高いのでハイブランドや高級品として取り扱われています。
牛皮と比較すると、強度・厚みなどは高くないレザーの種類が「馬革」です。
質感が柔らかいのが特徴としてあり、衣類やソファなどに使われています。
馬革の中でも、臀部から取れるコードバン皮は繊維がとてもきめ細かく硬さもあるので丈夫な革となります。
「羊革」のレザーの種類は、キメ細かいですが目が粗い繊維のためあまり強度はないです。
触り心地は柔らかく革が薄くてコートなどの衣類に使用されています。
生まれて1年以内の子羊から採った革をラムスキンと呼び、普通の羊革と比べて軽く柔らかさがあり希少性があるので高級な革として使用されています。
素材は柔らかいですが強度もあり、表側に独特のシワが入っているのが「山羊革」です。
丈夫で長持ちしやすい革として、米国の空軍、海軍でジャケット用や衣類等に使用されています。
仔山羊の皮は、キッドスキンと呼び成長した山羊革よりもさらに軽量で薄く高級な靴・手袋や衣類等に用いられています。
「豚革」は皮が特徴的で、豚の毛穴の小さい穴がたくさん空いている効果で通気性が抜群に良いです。
摩擦に強く軽量で、鞄の内装や靴の中敷きなどに使われています。
縄文時代の時から、鎧や武器などに「鹿革」が使われていたと言われています。
現在では、航空機のパイロットが着用する手袋にも採用されているのだとか。
鹿革は、触り心地が良く柔らかさがありながら強度も高いです。
皮に凹凸(おうとつ)のある模様が入っている、レザーの種類が「ワニ革」です。
本革製品に詳しくない人でも、一目で判別できるレザーではないでしょうか。
ハイブランドにも、ワニ革のファッションアイテムが取り扱われていますよね。
強度があり丈夫で高級レザーとして位置づけられています。
綺麗なウロコが魅力的な「ヘビ革」は、強度はあまりありませんが見た目が美しいです。
ニシキヘビの革は、特に人気が高く模様がダイヤモンドのようになっているものや、石垣状になっているものもいます。
ヘビ革は財布に用いられることが多いです。
昔は取引の規制が厳しいとされていた「ダチョウ革」は、最近では食肉用に肥育されているので比較的、量産しやすくなっています。
丸い突起が入っているのが特徴で、財布やバッグなどに使われています。
海の帝王とも呼ばれるサメから取れる「サメ革」は、鮫肌と呼ばれる固い皮膚を持ち強度が強くしなやかさがあります。
また、固い皮膚は塩酸を使用して脱鱗処理を行い、なめし加工することでレザー製品に用いることができます。
水や汗にも強いので、防水性が高い革です。
レザーの種類の中で、一番良く用いられるのは牛革です。
動物の皮から革製品になる加工過程で、コンビネーションなめし・タンニンなめし・クロムなめしなど皮から革にする鞣(なめし)工程が用いられています。
ほとんどの作業工程が、優れた技術と知識を持つ職人の手作業が必要とされます。
レザー製品を購入する時は、作られたバックグラウンドを気にする人はあまりいないでしょう。
このように本革の製品化には、多大な労力と時間がかけられているのです。