名刺は退職時はどうする?返却やシュレッダーで廃棄処分しても大丈夫?
終身雇用制度が崩壊した現在、一つの会社だけで定年まで働くという時代は終わりを告げました。
ですから、転職する人はポジティブな思いで前の会社を去る方がとても多いです。
長年、勤め先の会社に貢献していた人ほど、名刺交換をしている相手も多いと思います。
名刺は、自分の個人情報や勤め先の情報、取引先の相手の情報のものとがありますよね。
次の新しい企業に転職するとなると、前職で使用してた名刺や、相手様の名刺は必要なくなります。
ですが、勤め先の会社にとっては、大切なデータになるわけですから、退職する人間が勝手に独断と偏見で名刺の処理を決めるのはおすすめしません。
今回は、名刺は退職時はどうするべきなのかや、返却やシュレッダーで廃棄処分しても大丈夫なのかなどについてご紹介していきます。
勤め先の会社を退職する時には、基本的に名刺だけではなく【制服・備品・名札・社章】などを返却しなければいけません。
なぜなら、もし転職する業種がライバル会社だった場合、前職の企業の名刺や顧客情報を持ったままだと内部情報を簡単に転職先の会社に教える事ができます。
その行為で、前職の顧客をライバル会社が横取りする事態になる恐れもあります。
そんな事をするつもりがなくても、勤め先の会社に信用してもらうすべがないのでビジネスマナーとして、会社を辞める時はすみやかに名刺を返却した方が良いでしょう。
また、名刺の管理方法が適当になっていた場合、企業機密の漏洩や不正競争のトラブルに発展する恐れがありますから、企業にとっては望ましくない事態が起こるかもしれません。
なかには、プライベートで飲食店に行き前職の名刺を会計時に差し出し、会社に請求するように伝えたりして悪用する輩もいるのです。
このように、悪用される事を防ぐ為に、企業によっては退職予定の人に対して【機密保持誓約書】を提出させる事もあります。
名刺は、退職時にすみやかに返却する事はビジネスマナーとして常識的になっていますが、返却義務はあるのでしょうか。
世の中には、自分だけではなく他にも退職して転職するビジネスマンが山程います。
その中に、割合としては少数ですが在職中に、自分で起業し退職後に前職で掴んだ顧客の名刺を利用して営業活動を行った事件などがあります。
このように、前職の自分の名刺や、顧客の名刺を利用して悪用するケースもあるので、多くの企業では退職後には、すみやかに返却してもらうように取り決めている事が多いのです。
しかし、明確に国の法律で、前職の会社の名刺を返却しなければいけないという義務は定まっていません。
社員が、ビジネスとして受け取った名刺は、社員個人が保管していても、会社によっては自社の情報資産と捉えているところも多いのです。
ですので、返却義務はありませんが、基本的には退職する社員の名刺は、全部会社に返却するのがマナーと言えるでしょう。
立つ鳥跡を濁さずということわざがありますが、会社を辞める際は、感謝の気持ちを持って、後々の憂いを残さないように退職するのがベストです。
ずる賢い人は、退職前に勤め先の会社の名刺や顧客の名刺の情報を、コピーやスキャンして自分で保管している人もいるでしょう。
ですが、もし、今後、名刺情報に関してのトラブルが起きることがあれば、前職の会社に何か危害が及ぶかもしれません。
ですので、コピーやスキャンして複製する事などもやめた方が良いでしょう。
名刺を退職時に、会社に返却するだけなら良いですが、会社によっては自社サーバーなどでデータを管理しているところもあります。
その様な企業は、退職者が今後そのサーバー情報にアクセスできないように、パスワード変更をしたり、何らかのセキュリティー対策をしなければいかないので大変です。
最近では、システム上に退職者のアカウントが残っていた為に、不正アクセス被害を受けるといった事件も起きているのです。
自分は、すみやかに名刺を返却して前職の会社のサーバーは一切扱っていないけど、不正アクセスされると、まっさきに疑われてしまう恐れもあります。
ですので、名刺を返却する時に、もし、パソコンで情報管理をしていたりサーバー情報を扱っている方は、パスワード変更をしたり、会社に自分のアカウントの処理をお願いしておくと安心です。
そして、自分はポジティブな転職で、会社を辞めるつもりでも、勤め先の会社にとっては、裏切り者扱いされるケースもあります。
その様に、思われない為にも、名刺の返却方法として、返却までに社内の人間や社長に感謝の気持ちと、別れの挨拶をしておいた方が良いでしょう。
そうした上で、名刺を返却して良い印象で退職しましょう。
顧客の名刺は、退職時に返却した方が望ましいですが、自分でシュレッダーで廃棄処分しても良いのではと考える人も多いのではないでしょうか。
しかし、退職者が担当していた取引先企業の情報は自己判断で処分してはいけません。
また、後任者に引き継ぐ場合でも、担当者同士で勝手に名刺を受け渡してはいけません。
ベストな方法は、上司が名刺の返却を受理する形で預かり、必要に応じて後任者に渡すと言った手順を踏むことが大切です。
ですから、自分で名刺をシュレッダーで廃棄処分する前に、一度、上司の意見を伺う必要があります。
それに、社員個人がスマホの名刺管理アプリで、情報を管理している場合もありますので、シュレッダーにかけるだけでは済まない場合もあります。
企業側は、できるだけトラブルを避けたいと思っていますから、自己判断ではなく会社の判断に従うべきです。
また、取引先の会社の名刺を、廃棄処分してしまうと、もし、出戻りする事になったら、今までの苦労が水の泡になって、また1から顧客獲得をしていかなくては行けなくなります。
後々、後悔しないように、慎重に考えるべきではないでしょうか。
取引先の企業の顧客名刺は、自己判断ではなく会社の判断に従って処分方法を決めたほうが良いとお伝えしました。
では、自分の名刺では自己判断でシュレッダーにかけて処分しても良いのでしょうか。
あなたが、会社の社長と言ったトップの役職者であれば、自分の裁量で名刺を処分しても良いでしょう。
ですが、いち社員であれば、自己判断で自分の名刺をシュレッダーにかけるのは止めた方が良いです。
個人情報を、無造作に扱えば、その会社の情報管理の質やセキュリティー対策の不備が問われます。
ですから、基本的には退職時に名刺をすみやかに会社に返却する方が良いでしょう。
もし、シュレッダーにかけて、自分の情報は誰にも知られて欲しくない場合は、勤め先の会社と相談をしてどうするのか決めるべきです。
名刺は、基本的に自分のものと、顧客の名刺のどちらも前職の会社に返却するべきです。
今は、法律で必ず返さないといけない返却義務は定まっていませんが、ビジネスマナーとしては常識になりつつあります。